2021年 06月 04日
「フツーの」デジカメ・Cyber-shot RX100IIIを思いがけず入手したせいでその話が割り込んで、すっかりご無沙汰しました。 「Nikon F3」のお話の続きです。 と言いながら、ちょっと脱線気味ですが…。 最近の若い方(泣)はご存知ないかも知れませんが、Nikonはかつて、こういうイラストによる価格表を作っていました。 これは F3の最初期カタログに挟み込まれていた、専用の価格表。 F2の時代までは「ニコンチャート」と呼ばれていた様に思いますが、これにはその名は記されていません。 ペライチで三つ折りの冊子、内側には、F3ボディとそのアクセサリがずらり。 それは、中学生のしかもカメラに詳しくない自分には何をするものかも判らぬ未知の世界で、それまで自分が生きてきた世界との圧倒的な断絶観が、この先に広がっているのであろう「プロの領域」の高尚さ・敷居の高さそのものの様に感じられました。 しかし一方で、そんな”断絶”された世界の入り口を覗いているだけなのに、そんな今の自分が得意で得意で(因みに、まだNikonもCanonも手にしていません)、「Nikonってすごいよね、1000mmとか2000mmなんて望遠レンズがある!」「一番高いレンズは百万円もするんだ!!」なんて友達等と話していた、そのネタになったのがこの右側のページ。 焦点距離の長さ(←大きい数字の方がスゴイ望遠だ、くらいのことは分かる)と価格の高さ(←説明不要)という解り易い数字をバロメーターに、自分はスッゴイ世界を知ってるんだ!という感覚だったのかな…とにかく、大きいものに憧れる気持ち。富士山は日本一高い、でも世界一はエベレストで、富士山の2倍以上なんだ!とか言っているのと、たぶん、同じだったのでしょう。 でも…とうの昔に1000mm望遠も2000mmレフレックスレンズも新製品のラインナップから脱落し、それどころか、かつて「不滅」と謳われたFマウントですら、今や消え去ろうとしている。 時代の流れ、ですね。
by photographer_you
| 2021-06-04 23:00
| ’80s camera
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