2021年 04月 23日
さて、今回は愈々可愛いカメラの「棘」(?)のお話です(アキレス腱かも)。 前回記事で触れた通り、VITO Bはシャッターのチャージをこのギアに依存しています。 なので、このカメラはフイルムを装填しないと&フイルムがキチンと給送されないと、シャッターの調子を確かめることすら出来ない。 その記事でも書いた通り「その時(店頭で)はこのギアの抵抗がもんの凄~く強くて、フイルムの強度なんかではとてもとても、回すことなんか不可能だろうよという状態」で、ボディ前面にあるフイルムカウンター(これも変わってるよねぇ)共々、満足に動かせられなかった。 帰宅後、もしかしてフイルムを装填すれば(力の掛かり具合とかの関係で)何かが変わってスムーズに動くのか?と思い試してみましたが、やはりそんな筈は無く(笑)、フイルムのパーフォレーションが破れてしまう。どうしたもんか…と暫し思案した後、思い切って開けてみることにしました。 結論から言うと、この不具合は異物が噛んでいたことに因るもの。 VITO Bは、上カバーとレンズ&シャッターユニットを外すのは簡単なのですが(Webで調べた)、分解開始早々に、こんなゴツイ欠片(ケータイ写真なので、大きめに写ってますが)が内部からぽろっと出て来ました。 ドコが欠けたのかは不明。これも前回記事でも書いた通り、VITO Bは小さいけれどずっしりと重く、この状態で中を覗いても分厚いシャシーを始め金属パーツしか見えない感じなのに、一体何処から…? まぁともあれ、コレが出てきたら一気にフィルムカウンターの動きが軽くなったのです。そして、まぁ数日間(勿論、作業は断続的に行って)の紆余曲折、即ちシャッターの簡易的な清掃やらパーツのゴミ払拭&グリスアップやらを経て、現状は概ね快調と言って良い状態に復帰させることが出来ました。 取り敢えず、トテモ嬉しい。 だけれど、やっぱりこの機構(フイルム給装に動力を依存する)は、アイディア賞に値するくらい面白いけれど、ちょっと難がある(弱点を抱えている)様に思いますねぇ。 ちょっと不具合が起きて例のギアの動きが悪くなると、ダメージを受けるのは、フイルムのパーフォレーションの部分。 フイルムの端はパーフォレーション穴でハシゴ状になっていますから、四角い小片に千切れてしまい易く、すると、一枚目の写真で分かる通り大きく口を開けているギアの横から、カメラ内部に入ってしまう虞がある。つまり、一度(ひとたび)何かの弾みでここが不調になると、不具合が不具合を呼んで、事態が深刻化してしまう虞があるんじゃないでしょうか。 ドイツ魂で(笑)美しく造られたギアなんですけれどね、確かに…。もう少し、歯に丸みを付けられなかったのかなぁ、せめて(^^;)
by photographer_you
| 2021-04-23 21:55
| ~′60s camera
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