人気ブログランキング | 話題のタグを見る

寫眞機萬年堂  - since 2013 -

merylu.exblog.jp
ブログトップ
2021年 02月 25日

我々は何故カメラが好きなのか?

カメラが好きである。
何故なのかは分からない。



カメラ(レンズ交換式カメラのボディ)だけが好きなのかと言われたら、勿論、それは違う。
レンズ無しでは、写せないし、動作させても楽しくないし、何よりも機械として未完結で間が抜けている。
だからこの「カメラが好き」は、厳密に言えば「レンズが装着された状態(又は、一体型)のカメラが好き」だ。



「ボディよりも、大事なのはレンズ。描写はレンズで決まる」
「カメラは道具に過ぎない」
どちらも、ご尤も。その通りだと思う。
といって、ボディを蔑ろにしたり、「一台あれば十分」と思ったりはしない。

一方で、
「良い写真を撮るためには、レンズも大事だがカメラボディの精度も大事だ」とか
「やはり、ボディ一台では不安で予備機が必要」とかいうのは理屈として正しいが、そこが本質ということでもない。
カメラを計測機器の様に捉え、バックアップの為に数を持っているということではない。



”あのカメラ”にシビレたり、”このカメラ”が愛おしくなったりする。
写りさえすればどれでもイイ、という訳では決してない。
もしかしたら、写すことが目的ではないのかも知れない。



ずっしりと重量感のあるカメラが好きである。コンパクトで掌に載るカメラも好きである。
シャープで動作のシャキッとした航空機の様なカメラが好きである。古雅な趣で優美な動作の猫の様なカメラも好きである。
美しいクローム鍍金のカメラが好きである。ペイントや鍍金の黒いカメラも好きである。
機械式のシンプルなカメラが好きである。電気式でスイッチ満載のカメラも好きである。
金属加工と機械制御の技術が頂点に達した頃のカメラが好きである。技術的には劣っていても、それを真似し近付こうとしたカメラも好きである。
工夫から生まれた露出計やフード等のアクセサリが好きである。精密機器の矜持を表象する様な革ケースが好きである。



カメラが好きである。何故好きなのかは分からない。
でも、そこに宿る誰かの”夢”、それに感じるからだろう、とは思っている。
我々は何故カメラが好きなのか?_c0291635_20574141.jpg




by photographer_you | 2021-02-25 20:58 | Monologue Today


<< Summaron 3.5cm ...      今日はこの一枚(T-SQUARE) >>