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2020年 12月 27日

Leica MDa <その6>

F-1前期型購入時、つまり、「難あり」は一時的で、バッチリ復調した!というケースの、これは再現なのか!?と期待が高まりました。

しかし、楽観的に見過ぎて上手く動かなかったとか、動いたけど直ぐに不調になるとかでは元も子もありません。
その場合でも何せLeica様ですからメンテに出せばオーケーでしょうが、それでは余計な費用も掛かるので、復調を見込んで買うか、止めるか、しかありません。



その見極めの為に尚も空シャッターを切りながら、”素性”を推定するためにアチコチの部位を眺めるワタクシ。





それにしても…外観を改めて眺めても、金属部分にはホンの僅かな当たりがある程度。どう見ても、ガシガシと使われていた個体ではありません。と言うより、擬革が欠けている点を併せて考えれば、乾燥し過ぎの場所で眠っていたに近いでしょう。素人がイジった様な形跡も特に無く、店頭なのではっきりとは見えませんがマウントの12時位置にはシールも残っており、恐らくは販売されてから一度もメンテを受けていない個体なのでは。

そう考えれば、巻上げレバーの感触が重めでレリーズボタンも決してホメられる感触でない、という点も合点がいきます。過保護気味に仕舞われてあまり使われず、メンテもされていた訳ではなさそう、というのは機械であるカメラに関してはマイナスポイントですが、キッチリとメンテされていたらジャンクにはならんので、この辺は妥協すべきで、寧ろ、少なくとも雑に分解された経歴は無いと思われることの方を、プラスに捉えるべきでしょう。



そうこうしているうちに、F-1の時と比べるとごく僅かですが、1/4辺りに若干の改善の兆しが感じられました。依然、1秒とか1/2とかは不調なのですが…さぁ、どうする!?



復調しなくでも1/15以上が動くなら、最悪の結果でも、まぁ、写せないということは無さそうですし、こういう”変わり種”を欲しいという時に、1とか1/2秒とかの不調が、果たして問題になるか?

詰まる処、そういうやや強引な前向き思考で、この個体を購入してしまいました。




要するにコレって、『何かを買いたい!』んですよねぇ。

と言ったって勿論、何でも買いさえすればいいって訳ではなく、自分の『満足度』が得られる何かを。
そういう意味では、もう、今回のお買い物は大満足です。安いし、動かないって訳じゃあないし、増して、この綺麗さ!!

帰路の道すがら、時々バッグの中で巻き上げ操作して、レリーズして。やっぱり1秒はNGなのですけど、もう、ニヤニヤが止まりません。





さて帰宅後、改めてチェックします。


やはり、綺麗なボディですねぇ。

擬革の欠けはタマに傷ですが、この、美しいクロームの梨地仕上げと、優雅に面取りされたボディのシェイプとの取り合わせは、もう、溜息モノです。
傾いた巻戻しクランクはM4と同型で、本来はRF機のファインダーを避けて大型のクランクを設置するための機構ですが、その緻密な設えが堪りません。さらに今回、クランクハンドルを実際に引き起こし回してみて初めて、ツマミの細かいチェッカーはエッジがものすごく鋭くて指の腹から決してズレない、ということが判りました。
 Leica MDa <その6>_c0291635_21090771.jpg


マウントのシールを拡大して見てみると、そこには筆記体の「L」が。

 Leica MDa <その6>_c0291635_20452120.jpg


Leitzで製造した時のオリジナルのままかどうかなど私には判りませんが、まぁ何れにしても、整備の技術を持たない者が弄った可能性は極めて低いでしょう。それで十分です。




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さて、購入後約1週間の”リハビリ”の進捗は?と言うと、1/2-1/4秒は概ね復調し、1秒も動作するようになりましたがやや長めで、時々止まることあり…という状態です。

単純にシャッター秒時の回復度合いだけ見ても、F-1前期型の様な「完全勝利」には至っていませんし、加えて、Leica独特のスローシャッター動作後の”余韻”が殆ど無い。何とも言えませんが、F-1前期型の時の様なレベルまでの復調は難しいかなという気もしています。





それでも…取り敢えずは使ってみたい、というのが、カメラに限らず”フリーク”の常。
こういうイデタチで、テスト撮影に繰り出しました。
 Leica MDa <その6>_c0291635_20415860.jpg


試写結果はまだ上がってきていません(=撮り終えてない)。

果たして、「街が戦場のように」写るのか!?
また、後日報告します。




by photographer_you | 2020-12-27 21:29 | ~′60s camera


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