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2020年 10月 13日

Nikon New FとF2に於ける「巻き上げレバーのチップ」問題<その3>

そういう訳で(前回記事参照)、「New F と F2初期型 は時期が近い=パーツは共通の筈!」という目算がすっかり外れて途方に暮れ(笑)、これは一体どういうことなのか、謎を解くヒントは何か他に無いものか???と、つらつら考える私なのでしたが…。

あるじゃないですか、レンジファインダー機「SP」です。
Nikonでもう一つ、しかも、ほぼ同時期の!「巻き上げレバーに指当てが追加されたモデル」!

と言っても、あれはNew Fの様な量産レベルの話ではなく報道関係等向けの特別改造と聞いてますし、何れにしても現物など見たこともありません。



そこで思い出したのがコレ。
 Nikon New FとF2に於ける「巻き上げレバーのチップ」問題<その3>_c0291635_16295675.jpg

エイ出版社の結構有名なムックですね。メインテーマはNikon Fシリーズですが、その始祖としてS型にも触れており、引っ張り出してみたところ、幸いにもこの写真が。
 Nikon New FとF2に於ける「巻き上げレバーのチップ」問題<その3>_c0291635_16295621.jpg

同様の角度の写真で見比べると
 Nikon New FとF2に於ける「巻き上げレバーのチップ」問題<その3>_c0291635_16295623.jpg

これはもうまず間違いなく、SP特別改造機の指当てもNew Fと同じタイプでしょう。



因みに、先ほど出した表紙写真、デザイナーさんの描いたNew Fのレバーも、やはりこれら(=私の手許のNew Fや、通常のF2)と同じ、背中の丸いタイプですね。で、こちらのイラストの元になっているのは、本誌中に登場する741万台のボディだと思われる。
 Nikon New FとF2に於ける「巻き上げレバーのチップ」問題<その3>_c0291635_16295631.jpg
つまり、確率に基づく単なる推定に過ぎませんが、手許の New F (739万台)が”異端”な訳では決してなく、New F の指当てはこのカタチである、と考えて良いでしょう。


さらに、Twitter で頂いた情報により、同じ初期型の特徴を持つF2ボディであっても、後年の製造番号のもの(720万台で、資料に拠れば’73年製と思われる。自分の手許の個体は710万台で、’71年製と思われる)では、通常型F2と同じ(つまり、New F とも同じ)指当てであることも確認できました(にこら @nikora060 さん有難うございます)。
 Nikon New FとF2に於ける「巻き上げレバーのチップ」問題<その3>_c0291635_20355236.jpg
以上から、現時点での推論を纏めると

・「New F」「SP 特別改造機」「F2(初期型も、後期型も)」には、基本的に、全て同じ「背中の丸いタイプ」の指当てが着いている
・何らかの理由で、F2初期型の一部のロットには「背中がストレートなタイプ」で「金属製」の指当てが装着された

ということになりそうです。

繰り返しますが、飽く迄現時点で得られているデータからの推論です。もし、お手元に背中がストレートなタイプの指当てが着いたNew F ・ SP・F2をお持ちの方がいらしたら、是非、ご一報下さい!




by photographer_you | 2020-10-13 20:56 | ’70s camera


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