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2017年 04月 02日

Nikon F3 AF <その2>

前回の画像は、お察しかも知れませんが、F3AF登場時のカタログ表紙です。

日付は「1983.2.1」で、原型たるF3アイレベル(というのは正規の呼称ではありませんけれど、後の”ハイアイポイント”に対してアイレベルファインダーDE-2装備の機種をここでは指す)の、ほぼピッタリ3年後ですね。Nikon F4の項での歴史講釈(笑)でも触れた通り、かのMINOLTA α-7000に2年先行しての登場です。


兎にも角にも、F3AFと言えば、この圧倒的存在感を示す”AFファインダー DX-1”でしょう。
Nikon F3 AF <その2>_c0291635_23010298.jpg
Nikon F2 Titan や F3Pを知る者には、そのチタン製か?と思わせる外装もインパクトがあります(でも、多分違うような気が…先述のカタログを改めて眺め回しましたが、やはりその旨の解説は無し)。しかしそれ以上に、Canon F-1(旧F-1)用のブースターTファインダー辺りを髣髴とさせるこの不釣り合いなファインダーの巨大さはどうでしょう!? そして、これに追い打ちを掛けるかの様に堂々と大書された「AF FINDER DX-1」の文字。

ボディ側(=ファインダーでなく、の意)に追加で彫り込まれた”AF”の文字デザインには、Nikonとして初の市販オートフォーカス一眼レフに込めた”先進性”の想いが体現化されている様に…どうにか見えなくもありません。
Nikon F3 AF <その2>_c0291635_23274216.jpg
これに対してDX-1の方は、と言えば、もう「単なるゴシックじゃん」としか言いようが無い。このヒネリも何も無い字体と、長方形のド真ん中に置かれただけという配置とのW(ダブル)安直さからは「左側面が間延びしてどうしようもないから、ま、ファインダー名でも書いとくか」というセリフが聞こえて来るかの様です。

一眼レフにジウジアーロのデザインを採用する…という画期的試みによって機能美アートと化したF3ボディに、このような”悪戯”を施した挙句、それをあろうことか市販してしまうというとは。私の目には”暴挙”としか映りませんでしたが、これは、果たして”大・Nikon”のかました余裕の所業なのか、はたまた、「とにかくAF一眼を発売しちゃったもんね」という、アリバイ作りの勇み足だったのか。

流石の”大・Nikon”もこの仕上がりにジウジアーロの名を冠することには躊躇があったと見え(?)、件のF3AFのカタログに於いては、F3アイレベル登場時「ジウジアーロのデザイン」だの「機能とデザインの融合」だのと高らかに謳ったあの姿勢は封印した模様。

そんな「華やかな立場」である筈なのに「視線を逸らして謳い上げられる」様な、不遇のカスタマイズド・マシーン・F3AF。


それでこそ、今、敢えて入手することには、一種マゾヒスティック、且つ、ヘンに明るいヨロコビが横たわっている(笑)様に思われません、か???



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by photographer_you | 2017-04-02 23:58 | ’80s camera


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