2017年 03月 26日
折悪しく(←えっ!?)中古カメラ市の開催時期と重なったため、F4話が中断しておりました…ハナシが随分と飛ぶというか戻ってしまうというか、そんな感じではありますが、Nikon F4の話題色々で、シメてみましょう。 その1: AF合焦性能がスゴイ! 先ずはプロ用機として至極真っ当!な特徴(特長)です。F4をナニゲで弄っていて、驚いた…というオハナシ。AF50mmレンズを装着した状態で、サア、距離環を無限遠(∞)に合わせてから仕舞おう…と、天井に向けてレリーズボタンを半押しした、と思って下さい。 天井は白色なので位相を検出出来るような被写体ではなく、距離環は一度0.45mまで行って戻って来て、∞で止まるだろう、というのがコチラの考えだったのですが…案に相違して、スッといとも簡単に、天井に合焦してしまいました。 天井には細かい凹凸がありシーリングライトも点灯していたので影も付き、「無模様の真っ白」ではなかったのは確かですが…。これがF90X(1994年。原型のF90は1992年)辺りだとアッサリ「AFではピント検出できませ~ん」となるところ。F4フォーカスモジュールの位相検出能力の高さに思わず仰け反ってしまいました(勿論、静止した被写体ではありますが)。 こういう”不意打ち”を喰らってしまった…というのは、我知らずミラーレス機なんぞの「コントラストAF」の挙動に慣れてしまっていたということなのかも知れません。或いは、「AF検出ポイントが中央一点しかない」旧式のAFカメラじゃ~ん、と、F4のことを一寸見くびっていたと言うか。 いやいや、参りました。初号機登場から間もなく30年になろうという”古参”ながら、この辺りは流石、プロ用機の面目躍如ですね。 その2: 使い難い…。 と言ってホメた直ぐ後で、ナンですが…。 何と言うのか、色々なところにロック(解除)ボタンが設けられていて、使い難いったらモウ。 先ず、「メインスイッチ」(電源兼レリーズロックと、給送モード切替)からしてロックボタンを押しながらでないと回せません。次の「モード切替え(絞り優先、シャッター速度優先…等)」は、幸いロック無しで動かせるものの、露出補正を掛けようと、かのCONTAX RTS同様に大型の、如何にも操作性の良さそう~な「露出補正ダイヤル」を回そうとすると、ここにもロックが! こういうのって過剰サービスというのか、プロ用機と言いながらも、実は相応の数量をアマ向けに売る(売らねばならない)宿命であるが故に、どうしても安全サイドに安全サイドに…と振りたがるんでしょうか。 ソモソモですね、あんなに固い(重い)操作感を与えられた平べったい形状のメインスイッチが、勝手に動いてしまうようなコトなんて考えられません。そぉんな”百万が一”みたいなリスクを排除するために、平常時の操作性を犠牲にするなんて、もうナンセンスもイイところです。 露出補正だって、CONTAX RTSの思想に13年も遅れて漸く追いついたのかと思ったら、まぁ~だ「撮影者をコドモ扱いする」かの様に、ロックを設けたりして。 流石はメジャーを自認するNikon様、「人気者は、色々な気遣いをしなきゃならない宿命なのサ」という使命感の現れなのかも知れませんけど、先代のF一桁シリーズ=Nikon F3の実に実に使い難い露出補正ダイヤル('70s~'80s初頭のNikon FE、PENTAX LX 等々…と同じく、フイルム巻戻しクランクの基部に設置。当然の様に「ロックボタン」付き! )を捨ててボディ右側に独立した露出補正ダイヤルを設けるという、AEを積極的に活用するための構成を折角選んだのに…ワザワザそれを使い難くするとは。 こちらのダイヤルもトルクは決して軽くはないので誤操作の危険度も極めて小さいですし、露出補正を戻し忘れることの防止も含めて排除したかったのなら、RTSやLXと同様に、ファインダー視野内に思いっ切り目立つ指標を出すとか、そういう方向の仕組みとすべきでしたね。 その3: 着せ替えが楽しめる。 まぁ、最後はこんなギミック的特徴で。 ご存知の通り、と言うか、MD-4の項で一寸触れたように、F4はモードラ内蔵という構成なので「メカを合体でパワーアップさせるダイナミズム!を味わえる最高級機はF3が最後になってしまった」訳ではあります。 が、その代わり(?)に、F4はグリップ部の交換(=バッテリパックの変更)が可能です。一番コンパクトなのはMB-20を装着した「F4」、次がMB-21を装着した「F4s」、そしてMB-23装着の「F4E」。電源はF4が単3×4本、F4sが同6本、F4Eが同8本 or Ni-cdパック…ということで、このバッテリパックの差異は、主に最高速コマ数に影響するのですけれど、我々カメラフリークの目から見て重要?なのは、そのスタイル変化でしょう。 コンパクトさ重視で行くなら「F4」、機動力重視なら「F4E」…。正直なところ、評判の悪いF4s(グリップ部と底部とに分けて電池を入れねばならず、ボディへの装着もメンドウ)が如何なる意図でラインナップされたのかのはよく分かりませんが、ともあれ、こういうアクセサリ(=パワーバッテリパック、と呼称されるようなブツを底部に装着すると、コマ速アップしてタテ位置レリーズボタンが付く)って、デジイチではかなり沢山の機種がありますけど、F4辺りがハシリなんじゃないかと思います。 ついでに…MD-12と同様、MB-23のボディ装着用ネジ(ツマミ?)は、前後に小径の円盤が1個ずつセットされた、凝った構造であるのも見逃せないマニアック・ポイントです(笑) イヤ真面目な話、MB-23の底部に掌を当ててボディに装着しようとすると、前面の親指と背面に回った中指辺りが自然とツマミに掛かり、実に操作し易い…。こういう点、Nikonってホントに気の利くメーカーだなぁとは感じます。
by photographer_you
| 2017-03-26 23:38
| ’80s camera
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